英語学習者の中には、「英語のハノン」という教材を聞いたことがある方は多いと思います。
パターンプラクティスで有名な英語のハノンを使うことで、実践で使うことができる文法や表現を身につけながら、頭の中で英文を組み立てる練習ができます。
そんな英語学習に効果的な英語のハノンですが、検索結果のサジェスト欄を見てみると、「英語のハノン 効果ない」と表示されており、英語のハノンが本当に有用なのか気になってしまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、「英語のハノン」を使った勉強をしたいけど効果があるのか悩んでいる方に対して、
・英語のハノンが効果ないのか
・英語のハノンの使い方や注意点
・英語のハノンのメリットデメリット
などをご紹介します。
「英語のハノン」の使い方からメリットデメリット、注意点までまとめてご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
パターンプラクティスで有名な英語のハノンとは?
関西国際大学の横山雅彦さんと東北大学のTESOLの資格を持つ英語講師、中村佐知子さんが作成している英語教材です。*TESOLは英語を教えるための資格です。
「英語のハノン」はもともと、似た表現を繰り返して基本をしっかりと身に着けるための教材、ピアノの練習曲「ハノン教則本」にちなんで名づけられたようです。
「英語のハノン」は初級、中級、上級とありますが、今回は初級を中心に解説していきます。
まずは初級から挑戦してみることをおすすめします。
中級、上級は別の機会にレビューしたいと思いますが、興味がある方は商品ページを貼っておくので確認してみてください。
英語のハノンって効果ないの?
使ってみた感想ですが、「英語のハノンは効果がない」なんてことはありません。
特に一つの文型を使って自分で英文を構築する練習は、スピーキング初心者の方やある程度スピーキングはできるけど、言いたいことが出てこない場合がある方に非常におすすめです。
僕も本を開いた状態での練習を2~3周、閉本を1~2周しましたが、特定の文型における疑問文や否定文などをさっと頭の中で作れるようになったと感じています。
それでは、なぜ「英語のハノン 効果ない」が検索のサジェストに出てきてしまうのでしょうか。
「英語のハノンは効果がない」と明言している方は過去に見たことがありませんが、もしそういった情報がどこかで流れているのであれば、下記のような点が要因となっていると考えています。
・本を閉じた状態での練習まで行っていない
・毎日英語学習を継続できていない
・音源の再生スピードをSlowだけしかやっていない
・自分で英文を作ることを意識できていない(音源待ちにならない)
もしくは、「瞬間英作文シリーズ」の記事でもご紹介しましたが、教材を使う目的がはっきり定まっていない、もしくは目的からずれていることが要因だと思います。
英語がスラスラと出てくるようになりたい方や複数の文型を組み合わせて英会話を行いたい方には「効果あり」だと思います。
一方で、TOEICなどの資格試験対策やスラングなどの理解には向いていません。
自分の達成したい目標と教材を使う目的をしっかりと明確にした上で取り組むと高い効果を発揮できるので、ぜひ試してみてください。
英語のハノンの特徴
それでは、「英語のハノン」の特徴について見ていきましょう。
パターンプラクティスでスピーキング力とリスニング力が身につく
よくパターンプラクティスという言葉を耳にするものの、何なのか分からない方も多いのではないでしょうか?
パターンプラクティスとは、文の形式の知識を使って、文を少しずつ変化させていくトレーニングのことです。
例えば、メインとなる文に対して、一部の文章を置き換えたり、疑問文や否定文に変換したりします。
この置き換えや文型の変換を行うことで複雑な文章や瞬間的に疑問形や否定形の文章を作成する練習になります。
フレーズを知っていてもとっさに出てこないなんてことありませんか?
パターンプラクティスを日頃から繰り返し行うことで英文がすぐに出てくるようになりますよ。
ぜひ、いざスピーキングをしているときに英文が出てこない方は試してみて下さい!
なぜリスニング力が伸びるのかも説明していきます。
答えはシンプルで、自分が話せない英文は聞き取れないからです。
例えば、日頃から文章中で2つの単語がつながるリンギング(ざっくり説明してます。)を例に挙げると、そのように発音することを知らないと聞き取ることも難しいですよね?
そういった発音のコツを「英語のハノン」を通して勉強し、身に着けることで自分でも話すことや聞き取ることができるようになります。
また、基本的な文法をしっかりと時間をかけて身に着けるので、とっさに英文を聞いた時もパターンプラクティスで習得した知識から文型や意味を理解できるようになります。
各文法事項について、簡潔で分かりやすい説明と多くの例文がついている
「英語のハノン」では各文型のパターンプラクティスを行う前に簡潔で分かりやすい説明が書いてあります。
ここで詳しく書くことはできませんが、学生時代に使っていた教材よりも分かりやすいです。
それぞれの解説に対して書かれている例文では説明内容がどこを指しているのかを親切に解説してくれているので、すぐに理解ができます。
この説明や例文を理解した上でパターンプラクティスに取り組み、自分の中に落とし込むことにより、実戦で使える英語のパターンを確実に定着させることができます。
英語脳を作るのに役立つ
英語を実戦で使えるようになるために必要なことは「英語を翻訳せずに理解すること」です。
毎回日本語で作った文章を英語に変換していては会話についていくことができません。
そこで、英語を聞いて翻訳せずに理解し、英語で文章を組み立てることができるようになることがとても大切です。
そう言われても難しいと思う方は多いと思います。
僕も英語を英語として理解できる英語脳を作るのにとても苦労しました。
ハノンの音源は日本語を挟まずに英語だけで構成されています。
そのため、英語を日本語に翻訳することなく、英語の文章を聞いたり、作ったりすることになるので、英語を英語として理解する練習になります。
パターンプラクティスで膨大な量の英語を日本語に訳すことなくこなしていくことで、まずは英文に慣れるところから始めていきましょう。
日本語から英語に変換しなくても、少しずつ理解できるようになります。
時間はかかりますが、着実に繰り返しこなしていくことが「英語のハノン」を使った英語脳への近道なのでぜひ試してみてください!
ちなみに音源だけなら無料なので、まずはお試しで聞いてみてはいかがでしょうか?
英語のハノンの音源はこちらから入手できます。
英語のハノンの基本的な使い方
それでは、英語のハノンの基本的な使い方をみていきましょう。
教材の構成と学習の進め方
まず、初級の構成としては、下記5つのパートに分かれています。
1.ドリルの進め方
2.基礎の確認
3.英語の基本構造を習得する
4.より豊かに英語を表現する
5.より高度に英語を表現する
まずはドリルの進め方について説明があった後に、基礎の確認として、ネイティブスピーカーが話すときに自然に使っているリンキングやフラッピングといったテクニックが解説されています。
その後、第一部でSVOやSVOCなどの基本文形、第二部で疑問詞や受動態、第三部で不定詞や分詞について解説されています。
前半は中学レベルの簡単な文法から始まります。
文法の解説を確認しながら、英語学習を進めていきましょう。
音声に続いてスピーキング
先ほどご紹介したように、音声は無料でダウンロードできます。
音源には「Slow」と「Natural」の2種類が用意されているため、「Natural」が早いと感じたら「Slow」から始めて徐々に慣れていきましょう。
基本的に「英語のハノン」では、音声が流れた後に
・同じ文を読み上げる
・指示に従って一部を変更した英文を読み上げる
・文型を平叙文から疑問文、否定文などに変更した英文を読み上げる
などがあります。
本を閉じてスピーキング
本を見ながらのスピーキングができるようになったら、次は本を閉じて同じように音声に続いてスピーキングを行いましょう。
本を開いていると、どうしても本を読んでしまうため、本を閉じて自分で英文を構成することを意識しましょう。
詰まらずに回答できるまで練習する
英語のハノンでは詰まってしまうと言い終わる前に次の音声が流れてしまいます。
時間内に回答できるようになるまで繰り返し練習を行いましょう。
英語のハノン初級のレベル
英語のハノンは中学レベルの文法知識がないと厳しい部分があります。
・疑問文や否定文が作れない
・be動詞って何?
といった状態だと、英語のハノン初級を最後までやり遂げるのに膨大な時間がかかってしまい、モチベーションが低下してしまう可能性があります。
そのため、中学レベルの英文法は分かっていて、スピーキングの際に英語がなかなか出てこない方などにちょうど良いのではないでしょうか。
英語のハノン初級で学習するメリット
それでは、英語のハノン初級を使った英語学習のメリットについてみていきましょう。
学校で習った英文法を学びなおせる
英語のハノン初級を活用することで、中学・高校レベルの文法の復習ができます。
実際に文法の説明を読んだ後に、声に出しながら体系的に文法を学ベることも、実際に使いこなすことができるようになるために大切なステップです。
文章を組み立てる速度が上がる
英語のハノンを使うことで、基本文を受動態にしたり、別の単語を代入したりと、複数パターンの英文を作るトレーニングができます。
文法の知識が身につき、とっさに文章を組み立てる速度も上がるため、英会話のテンポを落とすことなくナチュラルにやり取りができようになることでしょう。
リスニング力やスピーキング力が上がる
スピーキング力を伸ばすためには、インプットに加えてアウトプット回数を増やす必要があります。
スピーキング力向上に「オンライン英会話」を進められることも多いと思いますが、回数が少ないとアウトプットの機会が不足しがちです。
そんな時に、英語のハノンで意識的にアウトプットすることでスピーキング力を向上させることができます。
また、聞いた英文を理解し、そのままアウトプット、もしくは文の一部を変えてアウトプットするため、音源の英文を正しく聞き取る必要があります。
聞いた内容をスピーキングすることで、リスニング力も向上することでしょう。
発音も鍛えられる
英語のハノンはネイティブスピーカーの発音を聞いて、アウトプットを繰り返すため、発音もある程度矯正できます。
ただし、本格的に発音を鍛える場合は、口の形や舌の動きなどを真似する必要があるため、発音トレーニング用の教材を提供しているオンライン英会話、もしくは通常の英会話を活用しましょう。
英語のハノン初級で学習するデメリット
それでは、反対に英語のハノン初級を使った学習のデメリットをご紹介していきます。
音声と文字がメインのテキストでイラストがない
基本的に英語のハノンは音声と文字がメインのテキストであるため、図解や漫画絵を見ながら楽しく英語を学習したい方には退屈かもしれません。
特に、英語に対して苦手意識がある方や教科書を使った英語学習が苦手な方にとっては苦行となってしまう場合があります。
シンプルに飽きやすい
英語のハノンの学習方法は単純で、ひたすら反復を繰り返すため、明確な目的がなかったり、あまり英語学習に対するモチベーションがなかったりすると、シンプルに飽きてしまいます。
他の飽きにくい教材と組み合わせたり、自分の成果を確認する場を設けたりすることで、やる気を維持できるようにしましょう。
その他におすすめしたい英会話力向上におすすめの教材は下記記事でご紹介しています。
また、自分の英語力の進捗を確認する際は、「オンライン英会話」がおすすめです。
日本人講師と英語を話すことができる「ワールドトーク」や「大人の英会話倶楽部」を活用しながら、自分のレベルを確認し、やる気を維持しましょう。
英語のハノン初級を使用する際の注意点
英語のハノンの注意点は下記の通りです。
注意点を意識して学習を進めることで、最終的に得られる効果も変わる可能性が大きいため、ぜひ参考にしてみてください。
閉本までしっかりと行う
基本的には、最初は教材のページを開き、そこに掲載されたドリルの英文と同時に流れる音声を聴きながら練習を始めますが、慣れた後には、必ず教材を閉じてスピーキング練習を行いましょう。
「聞こえてきた音を聞こえてきた通りに真似る」という点が重要で、無理にカタカナ英語に変換したり、自分が読みやすいようにアレンジしたりしないことです。
教材の英文を見てしまうと、ただ読み上げるだけになってしまう恐れがあるため、最終的には教材を閉じて時間内にスピーキングができるようになることを目指しましょう。
SlowだけではなくNatural Speedまで行う
先ほどご紹介しましたが、ダウンロードできる音源には、「Slow」と「Natural」が用意されています。
「Slow」はあくまで練習用であり、「Slow」を使ってスピーキング練習を行なっても、実際にネイティブが話すスピードとは大きく異なります。
そのため、「Natural」についていくことができるようになるまで、練習を行う必要があります。
毎日英語に触れる時間を作る
英語のハノンを使った学習もそうですが、英語学習を行う際は、できるだけ毎日英語に触れることが重要です。
特に、リスニングやスピーキングは結果が出るまでに時間がかかってしまいます。
また、1日休むだけで先日まで聞き取れていた内容が聞き取れなくなってしまったり、使えていた表現が使えなくなってしまう場合もあります。
そのため、一度にまとめて数時間勉強してその後数日休むよりも、コンスタントに30分〜1時間の英語学習を続けるように意識してみてください。
英文を使う状況を意識する
可能であれば、英文を使う状況を意識するようにしてみてください。
実際にこの英文を使うならこういうシーンかな?
というように、状況を想像しながら取り組むことで、実際にその場面に遭遇したときに英文が出てきやすくなります。
英語のハノンを使った勉強方法
基本的に教材に書いてある方法に従っています。
私はナチュラルスピードから始めたので、ナチュラルスピードで流れた音声に対して毎回、読み上げられた音声を繰り返しています。
通常の文から疑問文へなど、文章を変更する指示があった直後は音声の前に自分で文章を変えてみるようにしています。
最初の何回かは本を開いて文章を見ながら練習したのですが、現在は本を閉じた状態で聞こえてきた文章をしっかりと反復できるようにしています。
同時並行でオンライン英会話もおすすめ
先述しましたが、「英語のハノン」を使うときは、自分の英語力の向上を実感するために、英会話の機会を設けることをおすすめします。
英会話教室に毎回通うのは時間的にも体力的にもきついと感じている方は多いと思いますが、そういった場合は家から受講できる「オンライン英会話」がおすすめです。
英語に自信がない方も、日本語と英語のバランスを調整しつつレッスンを受講できる日本人講師がメインのオンライン英会話「ワールドトーク」や「大人の英会話倶楽部」を受講することで、日本語で説明を受けたり、微妙なニュアンスの違いについて質問したりできます。
もしスピーキングに自信がある場合は、定額でレッスンが受け放題の「ネイティブキャンプ」がおすすめです。
「ネイティブ受け放題」のオプションをつけることもでき、ネイティブスピーカーとの会話で力試しをしたい方にもおすすめです。
「ワールドトーク」、「大人の英会話倶楽部」、そして「ネイティブキャンプ」もお金がかからない無料体験を提供しているため、「英語のハノン」だけだとなかなかモチベーションの維持が難しい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
英語のハノンに関するよくあるQ&A
それでは英語のハノンに関するよくあるQ&Aをみていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
最近話題になっているハノンですが、パターンプラクティスで膨大な量の英文をインプット、アウトプットできるだけでなく、リンギングやフラッピング等の発音のコツも勉強できます。
また、音声が全て英語で作成されているので、英語脳を作る練習にもなります。
基本的な文法の説明も丁寧に書かれていてとても分かりやすく、しっかりと継続すれば英語力向上に役立つでしょう。
ナチュラルスピードとスロースピードの2つがあるので、もしナチュラルについていけない場合はスロースピードから始めてみてはいかがでしょうか?
皆さんもぜひ試してみてください!